▲ /Photo=Incheon Times

韓国南西部の珍島沖で起きた旅客船沈没事故で、韓国当局は18日、不明者が生存していることに望みをかけ、3日目の捜索作業を開始した。

17日午後6時から18日朝までに新たに女性10人、男性6人の計16人の死亡が確認され、死者はこれで25人に増えた。潮流が変化したために水面に上がる遺体が増えたとみられる。不明者は271人。179人は既に救助されている。

◇沈没船引き揚げ用のクレーン到着

沈没した旅客船を引き揚げるためのクレーン船が現場海域に到着し始め、海洋警察などが船体引き揚げ計画の策定に着手した。

3200トン級と2000トン級の2隻のクレーン船が現場から4~5キロ離れた地点で待機しており、1200トン級も現場に向かっている。また、3350トン級のクレーン船も午後1時ごろ到着する見通しだ。

当局は船体引き揚げ作業が船内の生存者の安全を脅かす可能性を考慮し、行方不明者の家族の同意が得られなければ船体を引き揚げない方針を固めた。引き揚げる際に船体が大きく揺れた場合、空気が残る船内の「エアポケット」に海水が流れ込み生存者が危険にさらされる恐れがあるためだ。

当局は気象や海上の状況把握やクレーンの点検を進めておき、クレーン投入のタイミングが確定すれば船体にチェーンをつなぐ作業に入る予定だ。

ダイバーによる船内への進入も繰り返し試みている。船内に入ることが難しいままならば、クレーンで船体を少し動かして進入口をつくり、捜索と空気送り込みの作業をしやすくすることも検討している。

 

   
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◇海中と海上から救出作業 船内進入はいつごろか

現場は小雨が降る中、秒速3~5メートルの風が吹いている。波の高さは1メートルほど。

濃い霧がかかり波のうねりが激しいため救助作業にあたる小型船舶が旅客船に近づけず救助作業が思うように進まない状況が続いている。

海洋警察は、警備艇108隻、民間漁船と官公庁の船61隻、クレーン船4隻(到着予定のクレーンを含む)、ダイバーなど救助隊員535人が投入されたと明らかにした。

ダイバーは潮の流れが収まる時間帯を中心に船内への進入を試みる方針だ。

船内に残っていると思われる生存者のため、空気圧縮機(エアコンプレッサー)を利用し船内に空気(酸素)を注入する試みも並行して行う。

船内に進入し中の様子を撮影できる無人ロボットは18日午前0時半から旅客船の周辺にいるボートに待機しているが、潮の流れが速く投入できていない。

◇船首だけが海上に 完全沈没寸前

17日に16人の遺体が見つかっており、遺体が船外に流れた恐れもある。

遺体は船体内部の捜索ではなく、救命胴衣を着用した状態で海上に浮いてきた。海洋警察は潮流が変わり、船内にあった遺体が船外に出ているとみている。

救助作業が成果を出せないなか、船体は完全沈没寸前の状態となっている。引き潮時の18日午前9時ごろ、船首の50センチ程度だけが見られている。船尾が海底に尻もちをつく状態となっていたが、徐々に傾いているとようだ。 /聯合ニュース